「プリンターがかすれやすくなった」という場合、プリンターヘッドに汚れが蓄積されているケースも少なくありません。マニュアル通りにヘッドクリーニングを行っても改善されない場合には、プリンターを買い替えるのも一案です。
また「もっと鮮明に印刷したい」「給紙がうまくいかない」「異音がする」「電源が入らなくなった」などの理由で、プリンターを一新する人もいるでしょう。そんなとき、古いプリンターはどのように処分すれば良いのでしょうか?
こちらでは、愛知県にお住まいの方がプリンターを処分する場合の方法と、その前に必ずやっておきたい作業について解説していきます。
プリンターは「小型家電リサイクル法」により、リサイクルの対象となっています。小型家電リサイクル法とは、小型家電に含まれている貴金属やレアメタルなどの有用金属を回収し、再資源化を促進することを目的とした制度です。
テレビやエアコン、冷蔵庫(冷凍庫)、洗濯機(乾燥機)の4品目は「家電リサイクル法」の対象で、これら以外のほぼすべての電気機械器具は小型家電リサイクル法の対象となります。
プリンターを処分する方法は、次のとおりです。
・新しいプリンターの購入元で引き取ってもらう
・プリンターを中古品として売る
・プリンターをごみとして出す
以下では、愛知県の方がプリンターを処分する方法をそれぞれのケースでご紹介していきます。
プリンターのメーカーのネットショップで新しいプリンターを購入する際に、不要となったプリンターを引き取ってくれるメーカーもあります。
たとえばエプソンでは期間が限定されていますが、エプソンダイレクトショップで対象商品を注文すると「メーカーを問わず中古のインクジェットプリンターを下取り+エプソンダイレクトショップで使える1,000ポイント」のサービスを受けることが可能です。
中には、法人向けの中古プリンターであれば、引き取ってもらえるメーカーもあります。このようにメーカーによって「購入時に引き取り」「有償で引き取り」など扱いは異なりますので、ご自身のプリンターのメーカーサイトで確認してみましょう。
新しいプリンターを家電量販店で購入した場合、古いプリンターは550円~1,100円(税込)ほどで引き取ってもらえる場合が多いです。
小型家電リサイクル法の施行前は、古い同商品を無料で引き取ってくれたり、使えるプリンターであれば中古買い取りの査定を行ってくれたりする家電量販店もありました。しかし近年は、中古プリンターの引き取りは有料となっている家電量販店がほとんどです。
家電量販店 | リサイクル回収費用(税込) |
ヤマダ電機 | 550円~1,100円 |
ケーズデンキ | 1,100円 |
ヨドバシカメラ | 550円~1,100円 |
ビックカメラ | 1,958円(1箱、配送料含む) |
ビックカメラを除き、上記の価格は、店舗への持ち込みによる引き取りの場合の目安です。自宅などへの回収を依頼する場合には、別途出張料金が加算されることもあります(配送と同時に回収となる場合を除く)。
機能性に問題がなくまだ使えるプリンターであれば、フリーマーケットやオークションを利用して売れる可能性があります。最近では、フリマアプリなど手軽に不用品を売れるツールが発達していますので、プリンターがまだ使える場合には試してみると良いかもしれません。
フリマアプリやオークションで中古プリンターを売る場合のメリットは、売上価格が高くつく可能性もあることです。出品手数料などを差し引いてプラスになることもあります。
ただし、多く出回っているプリンターであったり、相場よりも高く値段を設定したりした場合には、なかなか買い手がつかないケースもあるでしょう。また、部品取りで購入したい人もいますので、年賀状の季節に売りに出すという手もあります。
デメリットとしては、出品・買い手とのやり取り・梱包・発送といった手間がかかることです。この辺りの手間に慣れている人には、おすすめの処分方法だと言えます。
問題なくまだ使えるプリンターであれば、リサイクルショップで買い取りしてもらえる可能性も高いです。多くのリサイクルショップでは、持ち込んだ時点ですぐに査定・引き取りになることがほとんどですので、すばやく処分したい人に向いている方法でしょう。
リサイクルショップにはさまざまな雑貨を幅広く扱うショップもあれば、パソコン専門のショップもあります。どちらの場合でも、製造年が比較的新しいプリンターの方が、高額で買い取りをしてもらえる可能性が高いです。
動作が不安定だったり、動作確認ができなかったりするプリンターでも、部品取り用の「ジャンク品」として無料または安価で引き取ってもらえることもあります。製造年が5年以上前のものは、逆に処分費用がかかる場合もありますので注意しましょう。
中には、配送料無料や無料出張でプリンターを査定・買い取りしてくれるリサイクルショップもありますので、時間が取れないけれども早めに処分したいという方は、試してみる価値があるかもしれません。
一定サイズ以下のプリンターであれば、自治体が設置している小型家電専用の回収ボックスに出すことが可能です。
たとえば名古屋市の場合、回収ボックスに入る大きさ(縦15cm以下かつ横40cm以下かつ奥行25cm以下)をクリアしているプリンターは、総合スーパーや役所に設置されている小型家電専用の回収ボックスに出して、無料で処分できます。
プリンターのサイズが指定よりも大きい場合は「粗大ごみ」での取り扱いです。ちなみに、名古屋市での粗大ごみの収集は月に1回、地域ごとに収集日が決められています。処分手数料については、名古屋市では「50cm×50cm×50cm角以下」のもので250円、これを超えるサイズのプリンターは1,500円です。
粗大ごみの回収申し込みを、インターネットで行える自治体も増えています。回収作業員の確保や日程作成のため、回収日当日よりも1週間前には申し込みをする必要があるなど、期限が設けられている場合もあるので注意しましょう。
使用に問題がある中古プリンターの場合、サイズが合えば無料で自治体の小型家電専用の回収ボックスに入れて処分が可能です。サイズが大きければ大きいほど、処分費用は上がります。
中古プリンターは、不用品回収業者に有料で処分を依頼することも可能です。自治体から一般廃棄物の収集運搬許可を受けている不用品回収業者であれば、不法投棄されたり、法外に高額な手数料を請求されたりすることもありません。
回収料金はプリンター1つで550円(税込)~、一定サイズの箱1つに詰められる分で1,650円(税込)~などです。また業者によっては、パソコン本体と同梱で手数料が無料となる場合もあります。
認定業者については、自治体のホームページで許可業者リストを公開しているところが多いので、お住まいの地域に対応している許可業者を調べてみましょう。持ち込みか運搬も含めるかなど業者によって可能な対応が異なりますので、希望に合った業者を見つけてみてください。
処分費用はかかりますが、早めにプリンターを処分したい、他にも処分したい不用品があるといった人におすすめの方法です。
中古プリンターを売る、またはごみとして出す場合、適切な方法で処分する必要があります。プリンターの処分前に必ずやっておきたいことは次の3つです。
・原稿や用紙が残っていないかチェックする
・USBカード、SDカードを取り外す
・インクカートリッジ、トナーカートリッジを処分しておく
・プリンター内のデータを削除しておく
それぞれについての詳細、やり方を解説します。
プリンターで印刷する白紙の用紙を、トレーに入れたままにしている可能性があります。また、スキャン機能がある機種の場合には、元の原稿を挟んだままにしていることも少なくありません。
スキャンやコピーをするものは、ある程度重要な情報が書かれているものだと言えます。お子さんの学校関係や職場関係の書類であれば、個人情報の漏洩にも注意が必要です。
プリンターの処分前には、用紙トレー、原稿設置場所を今一度確認し、用紙の取り忘れがないか確認しておきましょう。
プリンターによっては、本体にUSBメモリーやSDカードを直接挿入して、画像を印刷できる機種も多いです。USBメモリーやSDカードなどデータを保管しておけるデバイスには、家族や知り合いの写真などさまざまな個人情報が詰まっています。そのため、プリンターの処分が決まったら、これらがプリンター本体に挿入されたままになっていないか確認することが大切です。
プリンター内にはインクカートリッジ、もしくはトナーカートリッジが設置されています。これらはプリンター用インクのタンクですが、プリンター本体とは処分方法が異なりますので、本体から取り外さなければなりません。
カートリッジには純正品とそうでないものがあり、純正品に関しては回収~再資源化までのリサイクルが推奨されています。純正品の不要カートリッジは、家電量販店や総合スーパーなどに設置されている「インクカートリッジ専用リサイクル回収ボックス」に出しましょう。
純正品の不要カートリッジを多く所有していて、これらをまとめて処分したい場合には「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」が設置している回収箱に持参するのも1つの方法と言えます。
これは、ブラザー・キヤノン・エプソン・日本HPという4社が共同で行っているリサイクルプロジェクトです。回収箱は、全国の主要郵便局や自治体の施設に設置されています。回収対象は、上記4社の純正品カートリッジのみです。
インクカートリッジやトナーカートリッジがメーカーの純正品ではない場合には、お住まいの自治体のごみ捨てルールにしたがって捨てます。可燃ごみ、不燃ごみなど指定されているはずですので、調べてみてください。
プリンターを処分する前には、必ずインクカートリッジまたはトナーカートリッジを外しておきましょう。純正品の場合は適切な回収場所へ持参し、そうでない場合は自治体のルールにしたがってごみとして出すようにしてください。
プリンターの進化は目覚ましく、最近ではハードディスクが内蔵されていたり、Wi-Fi設定が保存されたりするプリンターが一般的です。これらのデータを放置することは、個人情報の漏洩につながる危険性が高いので、プリンターの処分前に必ずこれらのデータを削除しておくようにしましょう。複合機の場合には、登録した電話番号やFAX番号の削除も忘れないでください。
プリンターを破棄処分する場合には、本体内蔵のハードディスクを復元できないように処置するのもおすすめです。
愛知県にお住まいでプリンターを処分したい場合、「新しいプリンターの購入元で引き取ってもらう」「プリンターを中古品として売る」「プリンターをごみとして出す」のいずれかの方法で行います。
機能的に問題がない場合は中古品として売れる可能性もありますが、電源が入らないなどもう使えないプリンターの場合は、自治体の処分方法にしたがってごみとして処分しましょう。名古屋市では一定の大きさ以下のプリンターであれば、小型家電専用の回収ボックスに出すことにより無料で処分できるのでおすすめです。
ただし、売るにしてもごみとして出すにしても「原稿・用紙・USBメモリー・SDカードの取り外し」「インクカートリッジやトナーカートリッジの取り外し+別途処分」「プリンター本体内のデータ削除」は必ず行う必要があります。プリンターの処分を思いついたら、まずはこれらをしっかり行うようにしましょう。